玉鋼とはなんですか?

玉鋼とは、砂鉄を用いて生産される鋼のこと。日本刀の作刀に必要不可欠な素材であり、「たたら製鉄」における精錬法「銑押し法」(くずおしほう)によって作られている鉄素材です。品質の高い日本刀を作刀するために、非常に純度の高い玉鋼が用いられ、その炭素量は約0.3~1.5%となっています。
日本国内で生産される玉鋼に対し、室町時代から江戸時代初期にかけて、オランダやポルトガルなどの諸外国より輸入されていた鉄素材が、いわゆる「南蛮鉄」です。
玉鋼の材料である砂鉄などの品質は、地域によっては良質でない場合もあったため、日本刀の作刀においては、玉鋼のみならず南蛮鉄も使われていました。
「刀剣ワールド財団」には、「徳川家康」の偏諱(へんき)を賜り、その名前に「康」の字を付けた名工「越前康継」(えちぜんやすつぐ)が、この南蛮鉄を用いて作刀した「刀 銘 (葵紋)於武州江戸越前康継 以南蛮鉄末世宝二胴 本多五郎右衛門所持」が所蔵されており、こちらは「重要美術品」に指定されています。