切れ味はどこを観れば分かる?

日本刀を観て切れ味を知る方法のひとつに、「茎」(なかご)に切られた銘を観るという場合があります。戦国時代以降、青竹や畳表が用いられていた「試し切り」は、江戸時代に入ると、罪人の遺体を複数重ねて行うことが主流になります。このとき、斬首刑となった首がない遺体を用いていたため、切れた胴体の数に合わせて、「二ツ胴」、「三ツ胴」などの評価が銘として切られていたのです。なお、1797年(寛政9年)に刊行された刀剣評価書「懐宝剣尺」(かいほうけんじゃく)では、試し切りによって得られた切れ味の評価に基づいて、①「最上大業物」(さいじょうおおわざもの)、②「大業物」、③「良業物」(よきわざもの)、④「業物」の4段階に刀工をランク付けしています。