刀剣コスプレに使う衣装 - ホームメイト
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刀剣コスプレの衣装とは
刀剣コスプレと言っても多様なバリエーションがあり楽しみ方は様々。コスプレをするうえでこだわりたいのはやはり衣装です。そして数ある衣装の中でも刀剣コスプレの基本と言えば、戦国時代の衣装。戦国時代とは室町時代後期~安土桃山時代のことで、室町幕府の権威が失墜し、各地の有力武士が台頭する群雄割拠、下克上の時代です。
まず始めに、刀剣コスプレの入門編とも言える戦国時代の衣装はどのような物であったのかご紹介します。
戦国時代の衣装 肩衣袴
戦国時代の衣装 小袖
刀剣コスプレの醍醐味 甲冑コスプレ
甲冑の部位
刀剣コスプレの醍醐味である甲冑コスプレをするためには、まず甲冑の部位について知っておきましょう。また部位の名称のみでなく、各部位の役割についても知っておくことで、実際に甲冑を身に着ける際に活用できます。

甲冑の部位
- 兜
- 「兜」とは、障害物から頭部を守るための道具のこと。戦国時代になると、様々な意匠を凝らした兜が登場するようになります。「立物」(たてもの)と呼ばれる飾りや兜鉢(かぶとばち)の形も多種多様。武将の個性を発揮するオリジナリティーあふれる意匠の「変わり兜」もあります。
- 面頬(めんぽお/めんぼお)
- 顔面と喉を守る仮面型の防具。面具(めんぐ)とも呼ばれる。当世具足(とうせいぐそく)が普及した安土桃山時代に主流になりました。顎まで覆う半頬(はんぼお)、鼻まで覆う目の下頬(めのしたぼお)、顔全体を覆う総面(そうめん)などがあり、実用性とデザイン性をかね備えた多種多様な面頬があります。
- 胴
- 腹巻(はらまき)や胴丸(どうまる)は、鉄や革製の「小札」(こざね:小さな板)を綴じ合わせてできる甲冑。一方、当世具足は小札の横1段を1枚の板で作る「板札」(いたざね)で制作されるようになりました。これにより手軽に制作できるようになったうえに、槍や鉄砲からの防御力も向上しました。
- 籠手(こて)と袖(そで)
- 籠手は腕全体、袖は肩から二の腕を守る防具。斬撃を防ぐ目的で作られ、材質は、革、鉄、青銅、丈夫な布地など。袖には、当世袖(とうせいそで)、大袖(おおそで)、壺袖(つぼそで)などがあり、大きさも時代や戦いによって変化していきました。
- 佩楯(はいだて)
- 膝鎧(ひざよろい)とも言います。鎧の付属具で、「草摺」(くさずり:胴の裾に垂れた下半身を防御する部分)と「臑当」(すねあて)の間を守る防具。室町時代後期に大流行し様々な種類がありましたが、伊予佩楯(いよはいだて)・板佩楯(いたはいだて)が主流でした。
- 臑当(すねあて)
- 小具足(こぐそく)の一種で、膝から足首までを守る防具。打物(うちもの)の類で薙(な)ぎ払われることを防ぐために使われました。臑当は鉄または革で作られ、鉄板三枚割蝶(ちょうつがい)留の丸篠(まるしの)、細かく分割して鎖でつないだ篠臑当(しのすねあて)などがあります。
- 履物
- 合戦時に多く使用されていたのは、鹿革で作った革足袋と草鞋です。当世具足が主流となると、「直垂」(ひたたれ)は隠れてしまい、少しずつ地味になりました。そして、新たに具足の上から羽織る陣羽織(じんばおり)が流行します。武将達は鎧兜と同様、目立つ陣羽織の意匠に趣向を凝らし、個性を競い合いました。
刀剣コスプレのポイント
刀剣コスプレをただするだけでは、もったいない。刀剣コスプレをより楽しむためには大きく2つのポイントがあります。この2つのポイントをよく理解し、刀剣コスプレを楽しみましょう。
ポイント1:衣装を確認する

実際に衣装を確認する
実際にコスプレをする前に、対象となる人物やキャラクター衣装を確認しましょう。アニメやゲームのキャラクターなら、写真や動画を観ることもおすすめ。
最近ではフィギュアなども作られており、より立体的なプロポーションもイメージすることができます。
戦国武将など歴史上の人物に関しては、史料をあたるだけではなく、ぜひ博物館や美術館で本物の甲冑、兜、面頬、「半頭」(はつむり)などにふれ、工芸品としての美しさや意匠を感じてみるのもおすすめ。
合わせて日本刀、長刀、槍などの武具、「目貫」(めぬき)、「笄」(こうがい)、「小柄」(こづか)、「鞘」(さや)、「拵」(こしらえ)など刀装具の美しさを観ても良いでしょう。さらに弓矢を観るなら、矢を収める「箙」(えびら)や「靫」(ゆぎ)なども合わせて研究するなど、細部に目を向けることが刀剣コスプレの楽しみをいっそう深めてくれます。
最近では甲冑の試着体験なども各地の博物館で実施されているので、機会があれば参加してみるのもおすすめ。甲冑を身に着けることで、重量感や身体の動きに合わせた甲冑各部の働きを理解できます。
ポイント2:衣装を手作りする
最近では老若男女を問わず、裁縫、ミシンがけ、編み物などが豊かな趣味として受け入れられています。コスプレ入門を機に手芸の知識や技を身に付けられるのもメリット。刀剣コスプレ衣装を作るのに特別な道具は必要なく、最初は家庭科の授業で使っていた基本のソーイングセットで充分です。
刀剣コスプレ衣装を作るのに必要な道具
- メジャー:樹脂や布製のやわらかい物
- 定規2本:長い布地に便利な1m定規と、作業中に取り回しの良い30cm定規
- 縫い針:長短各3針程度
- マチ針:おすすめはシルクマチ針
- チャコペンシル:水洗、時間経過で消える物
- 糸:手縫い糸、及びミシン糸
- はさみ2挺:糸切りばさみと裁ちばさみ各1挺ずつ
- アイロンとアイロン台
- ハトロン紙:型紙写し用(トレーシングペーパーなどでも可)
- 姿見:全身が映る普段使いの鏡で充分
- ミシン(家庭用):家庭用で充分。ミシン針は9号(薄地用)、11号(普通用)、13号(厚地用)の3種を用意。新規購入する場合は、「押さえ圧調節機能」、「アーム内の作業スペースが広い」、「フットコントローラーが使える」という3つのポイントを満たすミシンが最適です。
刀剣コスプレ衣装を作る際の注意点
初心者は基本の作り方を身に付けるようにする
無理のない予算で作る
まとめ
憧れの武将や姫君を理解するには、その人達の格好をしてみるのもひとつの手です。刀剣コスプレをするには、衣装を手作りする、博物館等に行ってレプリカの甲冑を着るなど様々な方法があります。そこで実際に体験、体感してみると、その人物や歴史背景が身近に感じられ、歴史に対する知識も深まることでしょう。
また、苦労して作り上げた衣装には愛着が湧きます。そして、完成度を高めるために必要な素材や道具をインターネットでもそろえることができます。アイデア次第で楽しくなる、そして知識も深まる刀剣コスプレに興味を持ったなら、一度チャレンジしてみるのがおすすめです。