鎌倉殿の13人のロゴ(題字) - ホームメイト
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大河ドラマのロゴ

大河ドラマのロゴ
大河ドラマの「ロゴ」と言えば、書道家が手掛ける物が多く、戦いの力強さや女性のしなやかさを表した「筆文字」が多く採用されてきました。
一方で2016年(平成28年)から放送された「真田丸」のように、左官職人(さかんしょくにん:城や寺院などの日本建築をはじめ、数多くの建物の壁塗りを行う職人のこと)が赤土にコテを用いて描いたロゴが採用されたり、2021年(令和3年)から放送された「青天を衝け」のように現代美術家によって描かれた右肩上がりのロゴが採用されたり様々。
そんななか、「鎌倉殿の13人」のロゴは、これまでのイメージを一新した現代風でおしゃれな活字となっています。鎌倉殿の13人の番組ロゴについて、デザインを手掛けた佐藤亜沙美さんは「活字のクラシックな骨格とモダンなエレメントを併せ持つ書体をもとにロゴを制作しました」とコメント。
また、三谷幸喜さんの脚本を想像したときに現代的で洒脱(しゃだつ:さっぱりしていること)な作品になることを想像し、鎌倉殿の13人のロゴを手掛けたとされています。
なお、NHK大河ドラマのタイトルにおいて、算用数字が使用されることは、鎌倉殿の13人が初。北条義時を中心とする重臣達13人が強調されており、佐藤亜沙美さんの作品における想いやこだわりが伝わってきます。
佐藤亜沙美さんのプロフィール
鎌倉殿の13人の題字ロゴを手掛けた佐藤亜沙美さんは、数多くの書籍や雑誌のデザインを手掛けているブックデザイナーとして有名です。担当作には、季刊文芸誌「文藝」(ぶんげい)やカルチャー雑誌「クイック・ジャパン」など。
また、佐藤亜沙美さんは、アートディレクターやグラフィックデザイナーという肩書きもあり、書籍の装丁やカバーだけではなく、マスキングテープやCDジャケットなども手掛けているのです。
佐藤亜沙美さんがブックデザインの仕事を始めるきっかけとなったのは、偶然、本屋で見かけた本だと言われています。祖父江慎さんと言うブックデザイナーが手掛けるデザインに感銘を受け、それ以来、佐藤亜沙美さんは祖父江慎さんの講演会に通うようになりました。
そのあと、2006年(平成18年)~2014年(平成26年)まで、祖父江慎さんの事務所「コズフィッシュ」に在籍。そこで佐藤亜沙美さんは、本文や造本設計、レイアウトなどデザインに関する知識をはじめ、物事に対する見方や姿勢を学びました。
やがて、個人的な仕事の依頼が増えてきたことをきっかけに、2014年(平成26年)にコズフィッシュから独立し、「サトウサンカイ」という会社を設立。佐藤亜沙美さんが思うデザインを作り続けているのです。
佐藤亜沙美さんが手掛けるデザインは、本の内容はもちろん、見た目の第一印象には強くインパクトがあります。それは佐藤亜沙美さんが、作品の面白さを表に出すようなデザインを心がけているからです。
鎌倉殿の13人のロゴにおいても、佐藤亜沙美さんは「現代にアップデートされた鎌倉殿の13人の面白さと背景にある緊張感をロゴデザインに感じていただけたら嬉しいです」とコメント。鎌倉殿の13人という作品を想像し、作品に秘められた様々な思いや意図をデザインで示しているのです。