第6回「刀剣鑑賞の実践」

「刀剣マンガ教室」の第6回では、名工「堀川国広」の刀を用い、実際に漫画で刀剣鑑賞をします。第5回までの解説で学んだ刀剣知識を活かして、楽しんで刀を鑑賞しましょう。

これまでの説明も踏まえて実際に刀を鑑賞してみよう。鑑賞するのは江戸時代初期の名工、堀川国広の刀だ。 まず姿を観てみると、鋒/切先は少し長めで刀身の幅は広い。南北朝期の太刀姿に似ているが江戸時代初期はこういう作風が流行した。年号から「慶長新刀」と呼ばれる。 茎の銘を観ると実際に「慶長」と切られている。ちなみに堀川と言うのは人の名字ではなく京都の堀川という地名で国広の本当の名字は田中だ。 堀川移住後の国広は鎌倉時代の相州伝を模範とした刀を作っている。この浅くゆったりした湾れの刃文もまさに正宗や貞宗のよう。 刃文を観ると沸の粒子が肉眼でもたくさん観ることができる。沸本位の相州伝の作風でも荒すぎないのが良いところだな。 光を上手く当てると刃文の中に金筋も随所に見える。 地鉄は丸い杢目の交じった板目肌と言える。模様が見えやすくザラザラした感じがあるのは国広やその弟子ら堀川一門の特徴で「ザングリ」した肌と表現される。 刃から棟に向かって斜めの線が入り、それを境に地鉄の色が違うことがある。これは水影と言うもので国広にはよくある特徴。うまく光に当てないと全然見えないのだが覚えておいてほしい。

登場キャラクター

鐘ヶ江 吉成
江戸時代の刀剣キャラクター「鐘ヶ江 吉成」をご紹介します。