第12回「上古刀とは?」

刀剣マンガ教室12回「上古刀とは?」では、日本刀ができる以前の刀剣について紹介します。上古刀とは、日本に刀剣がもたらされてから、反りのある刀剣が成立するまでの期間に作刀された刀剣のこと。実際の上古刀を紹介しながら解説します。

上古刀とは、日本の歴史上もっとも古い時代に作られた刀剣のこと。日本刀が成立する以前の、日本刀の先駆けとなる上古刀について学んでいこう。 刀剣が日本にもたらされた時代から、奈良時代までに作刀された刀剣を「上古刀」と言うぞ。 現存している上古刀は、石上神宮の七支刀、四天王寺の七星剣、小村神社の環頭太刀などがあるぞ。日本で最も有名な上古刀と言えば「草薙剣」。古代より皇室のレガリアとして伝来し、現在は熱田神宮に祀られているんだ。 上古刀の真っ直ぐな形状は、突き刺すことに特化していたものの、はじめは武具としてではなく祭祀用の道具、権力者の象徴として用いられていたんだ。 古墳時代に作刀された本刀は、古墳の副葬品として出土したもの。上古刀は為政者の権力を表す道具のひとつとして、鏡・玉と共に多くの古墳に埋葬されたんだ。 時代と共に作刀技術も発達し、古墳時代後期には切刃造りの造込みも行われたんだ。経年で朽ちているものの、地鉄や刃文が現れていて、日本刀の美しさの源流を感じ取ることができるぞ。 平安時代中期以降の刀剣は古刀に分類されるぞ。古刀と上古刀の最大の違いは、刀身に「反り」があるかどうか。反りが付き始めたのがいつか正確には分かっていないが、平安時代中期頃には湾刀が主流となり、日本刀が成立したんだ。 上古刀と古刀の違いは、反りの有無だけでなく、材料や用途、さらには製法などにも表れているぞ。

登場キャラクター

武永 百次郎
室町時代の刀剣キャラクター「武永 百次郎」をご紹介します。