第17回「刃文の正体!沸と匂とは?」

刀剣マンガ教室第17回「刃文の正体!沸と匂とは?」では、刃文を形作る日本刀の働き「沸」(にえ)と「匂」(におい)について紹介します。沸と匂は、光にかざすことで、細かな光の粒や靄のかかった光の線に見えるのが特徴。この光の粒や線があつまり、刃文が浮かび上がるのです。

日本刀の刃文は「沸」と「匂」と呼ばれる働きによって成り立っています。今回は刃文を形作る沸と匂とは一体何なのか見ていきましょう。 日本刀の刃に現れるはっきりと白く見える部分を刃文と思っている人もいるかもしれません。 実はこの部分は「刃取り」と呼ばれる研ぎの際に刃文をよく見えるようにするためのものです。 刃取りの境目あたりを光にかざしたときに光って見える浮き出た模様が刃文です。細かい粒子が連なり文様を現しているのが分かります。 刃文を形作る粒子が沸、匂です。沸は細かな粒状に見え、光を受けると粒のひとつひとつが光っているのが分かります。 一方、匂は沸よりもさらに細かい粒子です。白く靄のかかった線のようにも見え、ひとつひとつの粒を目視することはできません。 沸と匂は混在して現れる場合がほとんどです。なかでも沸が強く出ているものを「沸出来」と言います。 匂が強く出ているものを「匂出来」と呼びます。 沸と匂は刀身からわずかに盛り上がっています。そのため、光にかざすと沸や匂の部分が光に乱反射し輝いて見えるのです。 沸は地鉄部分に現れることもあり、地鉄部分に現れる沸は「地沸」と呼びます。

登場キャラクター

菊川 貴子
平安時代の刀剣キャラクター「菊川 貴子」をご紹介します。