第16回「日本刀を作るには」

刀剣マンガ教室第16回「日本刀を作るには」では、日本刀がどのようにできるのか、刀身の制作工程を紹介します。日本刀は、刀工、研ぎ師、鞘師など、様々な職人が携わって完成する日本を代表する芸術の結晶です。日本刀は玉鋼(たまはがね)という特殊な鋼で作られており、この鋼を質によって組み合わせたり、何度も折り返しながら鍛えたりすることにより、「折れず、曲がらず、よく切れる」武器として完成します。

日本刀を作るには刀身を鍛える職人、刀身に美しい艶を出す職人、鞘を作る職人など、様々な技術者がかかわっています。今回は刀工によって日本刀がどのように形作られるのか工程を見ていきましょう。 日本刀の素材は玉鋼と呼ばれる特殊な鋼材です。玉鋼の原料は真砂砂鉄で、島根県の「日刀保たたら」において古来のたたら製鉄法で作られています。 鉱石の形をした玉鋼は熱して板状になるように叩き延ばします。延ばした鋼は熱された状態で水へ入れ、急冷。この工程を水へしと言います。 鋼を小さく割り台の上に積んで、熱しながら叩き、ひとつの鋼にします。このとき鋼が空気に触れないよう、水で濡らした和紙で包み、藁の灰と泥水をかけてから熱します。 折り返し鍛錬とは熱した玉鋼を長方形に延ばし、半分に折って叩くことを繰り返し行います。繰り返すことで鋼の不純物を除いて炭素の含有量を調整でき、硬く粘り強い鋼を錬ることができます。 硬さの違う皮鉄や心鉄を組み合わせることを「造り込み」と言います。やわらかい心鉄を硬い皮鉄で包むことで、強靭でよく切れる日本刀の性質が作られるのです。 鋼を棒状に打ち延ばして日本刀の形へ整えると、刃となる部分に刃文を形作る焼刃土を置きます。 刀身が700~800度になる程度に加熱したのち、水へ入れて一気に冷却。急激な冷却で鋼が伸縮し、日本刀の反りが生まれます。 焼き入れをした日本刀は、最後に鍛冶押しと呼ばれる研ぎを行い、茎を整え、銘が入れられます。このあと研ぎ師のもとでさらに研磨が行われ、光を反射して輝く美しい日本刀が完成するのです。

登場キャラクター

鎌ヶ谷 義直
鎌倉時代の刀剣キャラクター「鎌ヶ谷 義直」をご紹介します。
安賀川 国光
安土桃山時代の刀剣キャラクター「安賀川 国光」をご紹介します。