第13回「時代別!古刀の特徴」

刀剣マンガ教室第13回「時代別!古刀の特徴」では、平安時代末期から戦国時代にかけて作刀された日本刀「古刀」について紹介いたします。長い期間に作刀された日本刀が古刀に分類されることから、時代にわたって特徴は様々。ひとくちに古刀と言っても細長く優美な印象を受ける日本刀から、太くて頑丈な印象を受ける日本刀など、見た目、性能は異なるのです。

平安時代中期頃から戦国時代末期までに作られた日本刀が古刀だ。時代に適した形に変化を続けた古刀を時代順に観ていこう。 古刀という言葉が誕生したのは江戸時代のこと。国産の玉鋼を用いて作刀されており、作刀地域によって地鉄、刃文などに顕著な特性が現れるぞ。 平安時代の古刀は腰元で深く反り、茎から鋒/切先にかけて刀身がだんだん細くなるのが特徴。はじめは儀礼用として発展したため、優美な印象を与える日本刀が多いぞ。 鎌倉時代になると日本刀は黄金期を迎え、はじめは平安風の優美な面影を残したが、本格的に武士の時代となると元幅と先幅が同程度となった、質実剛健な姿に変化したんだ。 刃文は福岡一文字派などが得意とした華やかな丁子乱れが流行したぞ。 蒙古軍の襲来により重ねが厚く、鋒/切先の詰まった日本刀の脆さが露呈。欠点を補うようにして新しい鍛法を用いたのが相州伝だ。重ねを薄く反りを頃合いにして、硬軟の鋼を組み合わせた「折れず・曲がらず・ よく切れる」日本刀が作刀されたぞ。 南北朝時代には刃長が  m以上にも及ぶ長大な日本刀・大太刀が登場。さらに、野太刀、長巻と呼ばれる野戦に特化した薙刀のように長い茎を持つ日本刀が誕生したんだ。身幅が広く、鋒/切先も大きいことが特徴だ。 初期は鎌倉時代前期の優美な作柄が好まれたが、応永年間以降は打刀が登場。 打刀は60~80cm程度の長さで先反りがあり、片手で持てる日本刀が流行したぞ。備前長船が繁栄していたが、末期になると美濃伝が隆盛したんだ。 安土・桃山時代には合戦が多かったことから量産型の日本刀「数打物」が作られるようになったぞ。 戦国大名が購入するのは数打物ではなく、刀工に直接注文して作刀される「注文打ち」。注文打ちは実戦に向かない華やかな彫刻が施されることも。 一方で、日本刀が芸術的価値を確立。豪壮で優美な慶長新刀への転換期でもあったんだ。

登場キャラクター

武永 千一郎
室町時代の刀剣キャラクター「武永 千一郎」をご紹介します。