静岡県三島市にある「佐野美術館」は、創立者・佐野隆一氏のコレクションを軸に、その後収集された作品を含めて約2,500点の美術品を収蔵しています。そのコレクションの特色は多彩さです。特に日本刀については、「正宗」の同門と伝えられる越中・松倉郷の名工である「義弘」の朱銘が入った「刀」(重要文化財)を中心に、名品が数多く収蔵。収蔵品は、常設展示室においてテーマを決めて数点が展示されています。
静岡市駿河区にある「久能山東照宮」(くのうざんとうしょうぐう)は、「徳川家康」を祀る神社「東照宮」が全国に100社以上あるなかで、最初に建てられた社殿です。徳川家康は晩年を「駿府」(すんぷ:駿河国[現在の静岡県]の首都)で過ごし、「大坂夏の陣」で豊臣家が滅亡した翌年の1616年(元和2年)に死去。その亡骸(なきがら)は遺言にしたがって「久能山」に葬られました。これを祀る久能山東照宮の社殿は、わずか1年7ヵ月ほどの超スピード工事で造営され、江戸時代初期における最高の建築技術を結集した「権現造」(ごんげんづくり)の傑作として国宝に指定されています。
浜松市天竜区にある「秋葉神社」(あきはじんじゃ)の正式名称は、「秋葉山本宮 秋葉神社」(あきはさんほんぐうあきはじんじゃ)です。「秋葉山」(標高 866m)の山頂に「上社」、山麓に「下社」を配置。この秋葉神社は、全国約800社ある秋葉神社の総本宮です。中世においては、山岳信仰の場としても知られており、たくさんの修験者が入山していました。古来より、火そのものに対する信仰が根本にありますが、武将から数多くの刀剣が奉納されたこともあり、武運長久の神としても崇敬されています。
静岡県三島市にある「三嶋大社」(みしまたいしゃ)は、「伊豆国一宮」(伊豆国で一番格の高い神社)に位置付けられている神社。中世においては「源頼朝」(みなもとのよりとも)ら数多くの武士から崇敬を集めました。近世以降は「東海道五十三次」(とうかいどうごじゅうさんつぎ)のひとつとして「三島宿」(みしまじゅく)が発展したことで、東海道を往来していた人々が信仰。また、三嶋大社が「下田街道」(しもだかいどう)の起点に位置していたことから、この道を利用する人々からも広く信仰されています。