藤原道長が訪れた「唐崎神社」 - ホームメイト
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唐崎神社の歴史

唐崎神社
唐崎神社は、「日吉大社」(滋賀県大津市)の摂社(せっしゃ:本社に付属して建てられ、本社の祭神と縁故の深い神を祀る社)として、697年(持統11年/文武元年)に創建されました。
唐崎神社は、日吉大社の神職を務める一族の先祖「琴御館宇志丸」(ことのみたちうしまる)の妻「女別当命」(わけすきひめのみこと)を祀ることから「女別当社」とも呼ばれ、多くの姫君から参拝された神社です。
また祓の霊場として名高く、平安時代には朝廷で行われた占いのひとつ「七瀬之祓」(しちせのはらい)を執り行う一社として指定されたため、朝廷行事の際には必ず参詣されました。
唐崎神社は琵琶湖(滋賀県大津市)に面しており、景勝地としても有名です。藤原道長の「御堂関白記」(みどうかんぱくき)、「藤原道綱母」(ふじわらのみちつなのはは)の「蜻蛉日記」(かげろうにっき)、「藤原実資」(ふじわらのさねすけ)の「小右記」(しょうゆうき)、「藤原行成」(ふじわらのゆきなり)の「権記」(ごんき)など、貴族達の日記にも多く描写されました。
その他、「柿本人麻呂」(かきのもとのひとまろ)や「清少納言」(せいしょうなごん)などの教養人の著書にも登場しており、なかでも清少納言は「枕草子」のなかで第一の崎として唐崎を挙げています。
唐崎神社と藤原道長の「禊ぎ」

藤原道長
平安時代、唐崎神社で行われた七瀬の祓とは、天皇の災禍を取り除くために、毎月、あるいは臨時で行われた神事のこと。
963年(応和3年)に始まり、のちに貴族にも波及しました。七瀬の祓を受けた貴族のひとりに藤原道長がおり、著作の御堂関白記に「1012年(寛弘9年/長和元年)藤原道長が唐崎へ祓に出かける」と記載があります。
七瀬の祓は唐崎の他20箇所で行われ、多くの貴族が禊ぎを受けました。
七瀬の祓が行われた場所 | |
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七瀬の種類 | 行われた場所 |
七瀬・大七瀬 | 難波、農太、河俣、大島、佐久那、谷、辛崎 |
霊所七瀬 | 河合、耳敏川、松崎、石影、東滝、西滝、大井川 |
賀茂川七瀬 | 川合、一条、土御門、近衛、中御門、大炊御門、二条末 |
源氏物語に描かれた唐崎神社
源氏物語では、「少女巻」で唐崎神社の祓が描写されています。光源氏の部下「藤原良清」(ふじわらのよしきよ)の娘が、五節(ごせち:朝廷で歌舞をする行事のひとつ)で舞姫を務めたときのことです。
「やがて皆とめさせたまひて、宮仕へすべき御けしきありけれど、このたびはまかでさせて、近江のは辛崎の祓へ、津の守は難波と、挑みてまかでぬ。」、現代語訳にして「そのまま全員を残らせておき、宮仕えさせるよう意向が出されたが、今回はいったん退出し、近江の守の娘は辛崎(唐崎)で、摂津の守の娘は難波で祓をすべく、競うようにして退出した」と描かれています。
唐崎神社の詳細情報
施設の正式名称 | 日吉大社摂社唐崎神社 |
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所在地 | 〒520-0106 滋賀県大津市唐崎1-7-1 |
電話番号 | 077-578-0009 |
営業時間 | 日曜・祝日10:00~16:00 (ご祈祷受け付け、ご朱印・守札授与) |
休業日 | 要問合せ([かぎや]は木曜日定休) |
料金 | 無料 |
交通アクセス | JR湖西線唐崎駅より徒歩15分 |
施設詳細ページ |
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