「光る君へ」藤原宣孝役「佐々木蔵之介」さん - ホームメイト
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「光る君へ」で主役・紫式部の夫・藤原宣孝を務める佐々木蔵之介さんの経歴
幼少期から俳優への道、そして俳優「佐々木蔵之介」の誕生

佐々木蔵之介さん
佐々木蔵之介さんは、1968年(昭和43年)2月4日、京都府京都市にて誕生。実家は1893年(明治26年)創業の歴史ある酒蔵「佐々木酒造」で、男3人兄弟の次男として育ちます。
佐々木蔵之介さんは実家の酒蔵を継ぐため、「東京農業大学」(東京都世田谷区)を経て「神戸大学」(兵庫県神戸市灘区)農学部に進学すると、父親から「商売のときに人前で話すことが苦手ではいけない」と言われ、演劇サークルに入ることを決意しました。
ちなみに、佐々木蔵之介という芸名は、赤穂藩(現在の兵庫県赤穂市、相生市、上郡町周辺)の筆頭家老「大石内蔵助」(おおいしくらのすけ)と、実家の家業にまつわる「酒蔵」を掛けて父親が提案。本名は「佐々木秀明」(ささきひであき)です。
劇団時代と躍進の始まり
1990年(平成2年)、佐々木蔵之介さんは先輩に声をかけられたのをきっかけに劇団「惑星ピスタチオ」の旗揚げに参加。1992年(平成4年)、神戸大学を卒業後は広告代理店に入社し、仕事の傍ら劇団活動を続けていました。
そんな佐々木蔵之介さんに転機が訪れたのは、東京の劇団からの客演依頼です。2年半勤めた広告代理店を退社し、本格的に芝居の道へ進むことを決意します。その後、退団する1998年(平成10年)まで劇団「惑星ピスタチオ」の看板役者として活躍。
1999年(平成11年)には、ドラマ「天国に一番近い男」(TBS系)でテレビ初出演を果たし、翌2000年(平成12年)には連続テレビ小説「オードリー」(NHK)でブレイク、その名を世間に轟かせました。
数々の賞を獲得、そして国民的俳優へ
一躍スターダムに昇りつめた佐々木蔵之介さんは、観る人を引き込む演技力で、2003年(平成15年)放送の人気ドラマ「美女か野獣」(フジテレビ系)、「白い巨塔」(フジテレビ系)など、数々のドラマや映画に出演し続けます。
佐々木蔵之介さんの代表作
2000年(平成12年)・NHK連続テレビ小説「オードリー」
佐々木蔵之介さんが一躍俳優として注目を集めるきっかけとなったのが、2000年(平成12年)に放送されたNHK連続テレビ小説「オードリー」でした。
このドラマは、映画「陽炎」で女優デビューした「岡本綾」(おかもとあや)さん演じる主人公「佐々木美月」(ささきみづき)が、両親の反対を押し切ってまで映画の世界に身を投じ、挫折を繰り返しながら成長していく姿を描いた作品。佐々木蔵之介さんは、大京映画の新鋭スター俳優「幹幸太郎」(みきこうたろう)を演じました。
ほぼ舞台経験しかない佐々木蔵之介さんにとって、テレビドラマの撮影は未知の世界。新人なのに大スターの役を演じることに戸惑いを感じていたそうです。しかし、佐々木蔵之介さんは新人ながら大京映画の新鋭スター俳優を見事に演じ切り、一躍その名をお茶の間に広めました。そんな「オードリー」の脚本を手掛けたのは、「光る君へ」で脚本を担当する「大石静」(おおいししずか)さんで、佐々木蔵之介さんとはその後も数々のテレビドラマでかかわっていきます。
2006年(平成18年)・映画「間宮兄弟」
映画「間宮兄弟」は、「家族ゲーム」や「失楽園」など数々のヒット作を手掛けた「森田芳光」(もりたよしみつ)監督による青春コメディ映画。小説家「江國香織」(えくにかおり)さんの同名小説をもとに作られた作品です。
物語は、佐々木蔵之介さん演じる兄「間宮明信」(まみやあきのぶ)と、お笑いコンビ「ドランクドラゴン」の「塚地武雅」(つかじむが)さん演じる弟「間宮徹信」(まみやてつのぶ)が、大人になっても一緒に楽しく暮らし、日常の中で小さな幸せを見付けていく様子を描いています。2人の息の合った演技はまるで本当に仲の良い兄弟のようで、心温まる作品です。
森田芳光監督の急逝後、2012年(平成24年)に行われた特集上映「森田芳光祭」では、佐々木蔵之介さんと塚地武雅さんが舞台に立ち、間宮兄弟の再来に万雷の拍手が送られました。
2015年(平成27年)・舞台「マクベス」(スコットランド・ナショナルシアター版)
舞台「マクベス」(スコットランド・ナショナルシアター版)は、イギリスの劇作家「ウィリアム・シェイクスピア」の戯曲「マクベス」を題材にした舞台。この舞台は、「ナショナル・シアター・オブ・スコットランド」(NTS)版として、病院を舞台に20役をひとりで演じきるという斬新なコンセプトで制作されました。
佐々木蔵之介さんは、多彩なキャラクターを見事に演じ分け、多才ぶりを披露。その挑戦的な姿勢が舞台史に残る傑作へとつながり、大きな成功を収めました。佐々木蔵之介さんのチャレンジが光る、演劇史に爪痕を残した傑作と言えるでしょう。