刀剣の豆知識

鬼滅の刃と刀(日輪刀)

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「鬼滅の刃」(きめつのやいば)は、「吾峠呼世晴」(ごとうげこよはる)氏による漫画で、2016年(平成28年)11号から2020年(令和2年)24号まで「週刊少年ジャンプ」にて連載された人気作品です。2019年(平成31年/令和元年)にはアニメ化もされ、翌年には劇場版が公開。「千と千尋の神隠し」の興行収入を抜き、日本映画の興行収入ランキングで1位になりました。また、連載当時から多くのファンから支持を受けていたこともあり、漫画の累計発行部数は1億部を突破。最終巻23巻の初版発行部数だけでも395万部となっています。そんな「鬼滅の刃」のあらすじと、作中にて重要な武器となっている「日輪刀」について解説していきましょう。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中PV

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「鬼滅の刃」とは

鬼滅の刃

鬼滅の刃

鬼滅の刃は大正時代の日本を舞台にしたお話。主人公の「竈門炭治郎」(かまどたんじろう)は、炭焼きを代々行なう家に生まれた長男。父を亡くしていましたが、一家の大黒柱として炭を売りながら母と弟妹5人でつつましく家のある山で暮らしていました。

ある日のこと、竈門炭治郎が炭を売りに出かけ家に戻ると、家族はに襲われ命を落としていたのです。そのなかで唯一息のあった妹「禰豆子」(ねずこ)も大怪我をしていました。医者に診せるため下山を急ぎますが、その途中、禰豆子に異変が起き突如として竈門炭治郎に襲いかかります。

そんな危機的状況を救ったのは「冨岡義勇」(とみおかぎゆう)と名乗る剣士でした。冨岡義勇は、禰豆子の状態を「襲ってきた鬼の血が傷口から入り込んだことで、鬼へと変化しつつある」と言います。鬼となった以上は退治するしかないため冨岡義勇は禰豆子を斬ろうとしますが、竈門炭治郎は斬らないで欲しいと懇願し持っていた斧で禰豆子を守ろうと立ち向かいました。

しかし力の差は歴然で竈門炭治郎は冨岡義勇に倒されてしまいますが、倒れる兄を守ろうと今度は禰豆子が冨岡義勇の前に立ちはだかります。鬼となったもののそれでも兄を守ろうとする姿に、冨岡義勇は兄妹の強い絆を感じ、竈門炭治郎に「鱗滝左近次」(うろこだきさこんじ)のもとへ行くように助言しました。

鱗滝左近次は、鬼を討伐する集団「鬼殺隊」(きさつたい)に入隊するための剣士を育てる「育手」(そだて)だったのです。竈門炭治郎は、鱗滝左近次から鬼と戦うための剣術や特殊な呼吸法「全集中の呼吸」を学びます。そして修行を終え、竈門炭治郎は鬼殺隊に入隊するための「最終選別」へと向かい見事合格。最終選別後に、合格した者達は鬼を倒すための武器として鬼殺隊士が持つ日本刀「日輪刀」を作るための玉鋼(たまはがね)を選びます。

晴れて鬼殺隊士となった竈門炭治郎は日輪刀を携え、鬼を倒すため、鬼となった妹を人間へと戻すために、仲間達と多くの戦いに身を投じていくこととなるのです。

「玉鋼」の名前の由来や、他の鉄と比べて良質であると評される理由についてご紹介します。

鬼滅の刃に登場する「日輪刀」と刀匠

鬼滅の刃の世界において鬼を倒すには、2つの方法があります。ひとつは太陽の光に弱い鬼を陽光のもとに晒す、もうひとつが鬼を倒すことのできる武器・日輪刀です。

鬼滅の刃では、刀匠達の住む「刀鍛冶の里」があります。この里全体が刀匠達の住処で鍛冶場(鍛錬場)そのもの。鬼殺隊士に日輪刀を作る多くの刀匠とその家族が暮らしています。ここでは、日輪刀とはどんな特徴を持つ刀剣なのか、日本刀の解説を交えてご紹介します。

日輪刀の原料

日輪刀は、1年中太陽の光が当たる「陽光山」という山で採れる「猩々緋砂鉄」(しょうじょうひさてつ)と「猩々緋鉱石」(しょうじょうひこうせき)の鋼が原料です。これらは年中日光を浴びている特殊な鋼のため、陽光以外では不死身である鬼を倒すことができると鬼滅の刃のなかでは語られています。

猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石の鋼から日輪刀を生み出すことができたことで、陽光以外で倒す方法の「日輪刀で鬼の首を落とす」方法が可能になりました。そのため、普通の刀剣や鍬、斧などの刃物では鬼を倒すことはできません。

日本刀作りに欠かせない玉鋼と鍛錬

玉鋼

玉鋼

実際の日本刀も日輪刀と同じく原料は鋼です。日本刀に使用される鋼は玉鋼と言い、砂鉄などが集まった塊で「たたら製鉄」と呼ばれる精錬方法で作られます。

鬼滅の刃で最終選別後に、竈門炭治郎が自分の日輪刀に使用する玉鋼を選んでいる場面が描かれていますが、これは猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石を精錬して作られた玉鋼だと考えられます。

折り返し鍛錬

折り返し鍛錬

日本刀作りは、この玉鋼を熱してやわらかい鋼と硬い鋼に分ける作業が最初の工程。次に、鋼を繰り返し打って鍛える工程「折り返し鍛錬」を行ないます。これは叩くことで鋼から不純物を叩き出し良質な鋼へと仕上げていく作業です。

そして、刀身外側の「皮鉄」(かわがね)に硬い鋼を用い、刀身の中心部分にやわらかな鋼「心鉄」(しんがね)を使用。この工程を「造込み」(つくりこみ)と呼び、次に刀の長さに伸ばす「素延べ」(すのべ)という工程に移ります。さらに薄く伸ばし、刃や峰/棟(みね/むね)、鎬筋などを整えて刀の形へと整えていくのです。

「折り返し鍛錬・焼き入れ」YouTube動画

折り返し鍛錬・焼き入れ

日本刀作りに欠かすことのできない「たたら製鉄」についてご紹介します。

形状について

日輪刀の形状は、一般的な日本刀に多い刀身中央に山形の稜線が入った鎬造りで、焼き入れで浮かぶ刃文はまっすぐな直刃(すぐは)調。日輪刀は、個々人の裁量で自由な形状が用いられている場合があるとされています。そのため刀身の形状については登場人物によっても違いがあるのです。

刃文の役割や種類についてご紹介します。

ノコギリ刃のような日輪刀

ノコギリ刃のような日輪刀

ノコギリ刃のような日輪刀

竈門炭治郎と同期で鬼殺隊に入隊する「嘴平伊之助」(はしびらいのすけ)は、山で育った野生児で、上半身裸に加え猪の頭を被った二刀流の剣士。

そんな嘴平伊之助の持つ日輪刀は、刃こぼれをして、まるでノコギリのようにギザギザの形をしています。

最初からこの形状なのではなく、実は嘴平伊之助が石を使ってわざと刃こぼれをさせていたのです。なぜこんなことをするのかというと「見た目がかっこ良いから」という理由。けれどこんなことをしようとすれば、まず刀身が折れます。形ができたとしても刀としての強度が弱いので、剣術を扱うどころではなくなってしまうはず。しかし、自身の剣技に対して絶対的な自信を持っている嘴平伊之助には、刃こぼれしていようとしていまいと関係なく技を発揮させてくれます。

また嘴平伊之助の日輪刀には、他の登場人物と違う点が他にもあります。それは、白布で保護していますが刀身が抜身のままで「」(こしらえ)がないことです。通常、刀なら必ずあるのが「」(さや)・「」(つか)・「」(つば)・「」(はばき)などの拵。拵とは「刀装」とも言い装飾などの意味を持ち、刀の保護や扱いやすさなどの点から実用性の高い外装です。特に鍔がないことはとてもリスクが高く、実戦の最中に汗などで手を滑らせれば怪我をする危険性があります。

しかし、そんな危険を微塵も感じさせないのが「獣の呼吸」の使い手でもある嘴平伊之助ならではの野性味あふれる日輪刀です。

身分や家柄、そして武士の威厳を示す「拵」についてご紹介します。

毒を仕込んだ日輪刀

毒を仕込んだ日輪刀

毒を仕込んだ日輪刀

鬼殺隊最上位の実力を持つ9人の「柱」のひとりで「蟲の呼吸」の使い手でもある「胡蝶しのぶ」の持つ日輪刀は、鬼を倒す毒を仕込むことができる仕様となっています。

一見すると刺突用の西洋剣「レイピア」のように細身ではありますが、柄と先端部分の刀身のみが通常の厚さ。特殊な形状の刀身を収める鞘には、鬼滅の刃内で鬼が嫌うと言う「藤の花」から抽出・調合した特別製の猛毒が仕込まれています。そして斬り付けた鬼に毒を流し、鬼を殲滅。他に何種類もの毒を調合しており、鬼の強さや性能によって使い分けています。

「毒使い」でもある胡蝶しのぶですが、実は小柄なため鬼の首を落とすための筋力に恵まれませんでした。こうしたことから毒を用いた戦法などで工夫をしたとも言えます。しかし筋力は劣るものの、身軽さを活かした剣戟を操る姿はまるで蝶のように軽やか。そんな胡蝶しのぶは、鬼に姉を殺されたつらい過去を持ちますが、姉の敵を取るため弛まぬ修練で柱にまでなった強い信念を持つ女性剣士です。

「レイピア」など、世界各国の剣・刀剣・甲冑(鎧兜)・防具についてご紹介致します。

実際の日本刀の形状

日本刀は、その名前が示すように日本独自の鍛刀方法で作刀された刀剣類のことを言います。そして代表的な作刀方法の伝法を5つの地域に分け「大和伝」・「山城伝」・「備前伝」・「相州伝」・「美濃伝」と総称。これらは最も流派による特徴が際立ち、同時に独自の優れた作刀技術をもつ流派でもあります。大まかに太刀・大太刀・打刀脇差短刀のように、時代や刀身の長さ、用途により名称にも違いがあるのです。

また日本刀のことを「日本刀」と呼ぶようになったのは明治時代以降のことで、それ以前までは太刀や刀と呼ばれていました。そして明治時代に「廃刀令」が出されたため、刀を持ち歩くことができなくなります。大正時代が舞台となっている鬼滅の刃でも、鬼殺隊が政府非公認の組織でもあるため余計な騒ぎにならないよう、刀を隠して歩く場面などが描かれています。

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色変わりの刀

日輪刀はその特性から「色変わりの刀」とも呼ばれ、持ち主によって刀身の色を変化させます。それは鬼と戦うための「全集中の呼吸」の適性によって異なるとされ、例に挙げると竈門炭治郎は「黒」、冨岡義勇は「青」など違いがあるのです。

呼吸による色の違いは、「火の呼吸」は赤、「水の呼吸」は青、「風の呼吸」は緑、「岩の呼吸」は灰、「雷の呼吸」は黄など様々。また色が変化するのは持ち主の技量によるところが大きいため、隊士によっては変化していても色が薄いなどの理由から分かりにくい場合もあります。

鬼殺隊で色変わりの刀を持つ隊士

煉獄杏寿郎の日輪刀

煉獄杏寿郎の日輪刀

鬼殺隊最上位の実力を持つ9人の「柱」のひとりで「炎柱」の称号を持つ「煉獄杏寿郎」(れんごくきょうじゅろう)の日輪刀は、燃え上がる炎のように赤く波打つ刃文が特徴です。

他には、竈門炭治郎と一緒に戦うことになる雷の呼吸の使い手「我妻善逸」(あがつまぜんいつ)の刀身には、黄色に輝く稲妻のような模様が入っています。

焼き入れ作業で刃文と反りを入れる

焼き入れ

焼き入れ

煉獄杏寿郎の日輪刀のような刃文を入れる作業は、日本刀作りにおける1番最後の工程であり、最も重要な作業です。

刃文は、刀身に浮かぶ白い波のような模様のことで、この焼き入れを行なうことによって刃文や反りが生じます。方法は、刀身に粘土や木炭、砥石(といし)の粉などを混ぜて作った焼刃土(やきばつち)を刀身に塗りますが、棟の方には厚く、刃の方には薄く土を塗るのがポイントです。

次に、塗った焼刃土が乾燥したら刀身全体を火で熱し、頃合いを見て取り出し、刀身を水のなかに入れて一気に冷却。この際、刃側は焼刃土が薄いため急速に冷やされ、棟側は焼刃土が厚いためゆっくりと冷えます。この温度差により、刃側と棟側で鉄の組成が変わり、日本刀の特徴である反りが生まれるのです。

刃文

刃文

この焼き入れのときの温度によって刃文が仕上がります。刃文は、装飾的な意味合いが強いように見えますが、斬れ味にも大変影響するため刀工の技術が分かる箇所とも言えます。

そのため、刃文の出来栄えによって、日本刀の価値そのものも左右する重要な位置付けにあるのです。

  • 日本刀にある反りの種類や時代による反りの変化について、ご紹介します。

  • 日本刀のできを左右する「焼刃土」について解説します。

「刀鍛冶の里」の場所

日輪刀は鬼に対抗する唯一の武器のため、それを作る刀匠達は非常に大切な存在。そのため刀鍛冶の里は、鬼から刀匠達とその鍛刀技術を守るため、鬼はもちろん鬼殺隊士達にすら知られないように秘匿されています。

竈門炭治郎も、自身の日輪刀を打った「鋼鐵塚蛍」(はがねづかほたる)に会いに行く際に「隠」(かくし)の人達に目隠しをされ、背中におぶさったまま里までの道を行きました。竈門炭治郎は鼻が効くことから、匂いによっては場所や道筋が分かってしまうため、目隠しと同時に鼻栓までされています。また隠とは鬼殺隊における事後処理部隊のことで、戦いの後処理から隠蔽、その他に隊士達への色々な支援をする部隊です。

刀匠と鍛刀技術

刀鍛冶の里の刀匠達は芸術気質なこだわりが強く、個性的な性格の持ち主ばかり。その代表的な人物として竈門炭治郎の日輪刀を打った鋼鐵塚蛍という人物がいます。

竈門炭治郎は鬼との戦いで、日輪刀を「折る」・「紛失する」・「刃こぼれさせる」など幾度となく愛刀を損傷。それだけ壮絶な戦いだったということが分かりますが、鋼鐵塚蛍は刀を折ってしまった竈門炭治郎に刃物を向けて「よくも折ったな俺の刀を」と襲い掛かるなどの奇行が目立ちます。2度目の紛失時は、両手に包丁を持ち、頭にも包丁を括り付け、竈門炭治郎を夜明けまで追いかけ回しました。このときの姿が、作家「横溝正史」の推理小説「八つ墓村」に登場する殺人鬼に似ているとファンの間で話題に。さらには「お前にやる刀はない」との手紙を竈門炭治郎へと差し出し、他にも罵詈雑言を尽くした手紙を送り付けています。

このように鋼鐵塚蛍は変わり者ですが、刀鍛冶の里の長「鉄地河原鉄珍」(てっちかわはらてっちん)に育てられその後継者でもあることから、刀作りの腕前は超一流。鋼鐵塚蛍に会うべく刀鍛冶の里へ向かった竈門炭治郎は、第101話で鉄地河原鉄珍と話した際に「刀を折ったり刃こぼれさせるなどして申し訳ない」と謝罪。しかし鉄地河原鉄珍は「折れるような鈍らを作る方が悪い」と言います。

そのあと、鋼鐵塚蛍の行方は分からなくなっていましたが「折れない強い刀」を作るための修行をしていたことが判明。偏屈な人物ではありますが、刀作りへの愛情や竈門炭治郎を思う気持ちがよく分かる場面でもあります。そんな修行の成果なのか筋骨隆々な姿となって帰還。しかし、刀作りにその筋肉は必要あるのかとこれまた物議をかもしたのは言うまでもありません。

日輪刀の研磨術とは

刀鍛冶の里に来た竈門炭治郎でしたが、目当ての鋼鐵塚蛍が行方不明の間、里の少年「小鉄」の家に伝わる戦闘用からくり人形と修行をしていました。古い人形だったことから竈門炭治郎の打った攻撃で大破。そのなかから出てきた錆びた刀を鋼鐵塚蛍が、鋼鐵塚に伝わる日輪刀研磨術で研磨することになります。

日本刀本来の美しさを引き出す研磨術

鬼滅の刃では、完全に錆びて使い物にならないであろう姿の日輪刀を、三日三晩かけて研磨すると鋼鐵塚蛍は語りました。この研磨とは、刀剣の斬れ味、姿の美しさ、刃文、刀工、流派の特徴や持ち味を引き出す作業です。刀匠が研磨を行なうこともありますが、専門の職人のことを「研師」(とぎし)と言います。その他にも鞘を作る「鞘師」(さやし)や、鍔を作る「金工師」(きんこうし)などがいました。現在の日本刀作りにも欠かせない職人達であるため、その伝統は今も脈々と受け継がれています。

  • 日本刀の強靭さ、美観を保護するための工程「研磨」についてご紹介します。

  • 日本刀における目利きとしての才能が求められる研師の仕事について解説します。

  • 刀剣を収める刀装具「鞘」(さや)を作る職人「鞘師」についてご紹介します。

  • 刀装具を生み出す職人「金工師・鍔工師」についてご紹介します。

刀匠達のひょっとこ面の謎

刀鍛冶の里にいる男性達は「ひょっとこ」の面を付けている描写があります。ひょっとことは、宮廷の舞楽や、神事で行なわれる神楽舞など登場した道化役がはじまりとされ、江戸時代以降は農民達の田楽舞などにも使われるようになりました。

地方によっては、竈の火を竹筒で吹く「火男」が語源になっているとも伝わる面です。鬼滅の刃では、小鉄という刀匠の少年が「火男」と書かれた羽織を着ていることから、原作者の吾峠呼世晴先生も「ひょっとこ=火男」を意識しているのではないかとファンの間では囁かれています。

ひょっとこ面

ひょっとこ面

その他にも、ひょっとこは日本神話で製鉄・鍛冶の神とされている「天目一箇神」(あまのまひとつのかみ)を表わしているとも言います。

それは天目一箇神が鍛冶による火の熱で片目を失明した「ひとつ目」の神であるためで、ひょっとこも片目を眇めている、あるいは閉じている場合の面もあるからです。それは、火の加減を見るためや、すでに失明してしまったことを表わしていると言われています。

刀剣が奉納・展示されている神社・仏閣や宝物館をご紹介!