山田銀河の日本刀紹介

武将とは(好きな武将)

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日本刀の中には戦国武将達にも愛されてきた物もありますが、そもそも武将とはなんなのか。伝来をより楽しむために、まずは武将について調べてみます。好きな武将もひとり選んでみました。

今回のテーマ

武将の恰好をする山田

武将の恰好をする山田

こんにちは。東建コーポレーションの山田です。今日は武将について書いていきます。

日本刀は美術品である前に武器ですので、武士や侍との関係は切っても切れません。

特に、歴史上に名を残す名刀達は、数々の有名武将の手を渡り重宝されてきました。そこでは武器としての切れ味や武力の象徴のみならず、鍛えられた鉄の神聖さ、家宝としての価値が見出されていたことだと思います。

名古屋刀剣ワールドでは、そういった武将が所持していたという伝来のある刀剣も多数所蔵しています。

武将と刀剣とのかかわりは別の機会にご紹介したいと思いますが、今日はまずそもそも武将とは、というところからです。

好きな武将を聞かれても

仕事柄か、時折「好きな武将はだれか」と言うようなことを聞かれるのですが、なかなかうまく答えることができずにおります。

と言うのも、私は大学受験に世界史と地理を選んだため、日本史の知識が中学生レベルで止まっており、好き嫌いを言えるほど個々の武将に詳しくないのです。かと言って誰でも知っている織田信長豊臣秀吉の名前を挙げるのも悔しいじゃないですか。

また、そもそも武将の好き嫌いを何で判断したら良いか分からないからです。

郷土に関係する武将がいれば、生活を通して何かしら知ることもあるかもしれません。

例えば、本で読んだのですが、大分県では若者が駅前にある大友宗麟の像の前で待ち合わせをして、親しみを持っているそうです(井上章一・本郷和人[日本史のミカタ])。

札幌駅の白いオブジェ

札幌駅の白いオブジェ

しかし、私が生まれ育った北海道は武将がいなかったため、生活に根ざした方面でもなかなか知る機会に恵まれませんでした。

ちなみに、札幌駅で待ち合わせに利用されているのは謎の白いオブジェです。

という訳で、今回は武将について調べてみました。やっぱり武将のことを分かっていた方が、刀剣の伝来もより良く楽しめますからね。

武将とは

まず、戦国武将、あるいは戦国大名について、教科書の説明を見てみます。

戦国大名の領国を分国とよぶ。彼らの分国統治の第一目標は富国強兵であった。大河川の治水・灌漑事業によって、平野部の開拓と農業生産の安定と増大をはかった。産業の開発に努力して、金・銀などの鉱山の開発や綿花栽培を試みた大名もいる。彼らは分国経済の中心として城下町を建設し、道路を整備して宿駅・伝馬制度をととのえ、関所も撤廃した。

(五味文彦・鳥海靖編[もう一度読む山川日本史]
山川出版社 2009年 132ページ)

戦国武将と言うと下克上の時代ですから、もっぱら戦いに明け暮れていたのではないかというイメージがあったのですが、ここでの記述を見れば、統治者というよりも経営者的な役割があるように思います。

確かに言われてみると、戦いに勝つには兵力を養わなきゃいけないし、そのためには資源がないといけない。そのためには農業の生産性を上げたり、災害に左右されない環境を作らなきゃいけなかったりしますよね。

また、防衛しやすいように城の立地や構造を考えないといけないし、農民達を足軽として動員するために貸し出し用の装備を用意してやらなきゃいけないし、強い軍にするための訓練もしないといけません。

こういった多岐にわたる事業について、家臣の中からそれぞれ担当者を決めたのでしょうけど、全体を見なきゃいけないと思うと、武将は単に強かったり勇敢だったりするだけでは務まらなさそうです。優秀な家臣がいないといけませんし、武将として名を残すのは並大抵のことではないのでしょう。

戦国武将の逸話を読む

なんとなく武将のイメージが湧きました。ここからは、刀剣ワールドにある70人以上の戦国武将を紹介している様々な記事コンテンツを読み込んで、好きな武将を見付けたいと思います。

ちなみに、「戦国武将・歴史人カード」コンテンツではカード表示もできます。格好良いですよね。(戦国時代じゃない人が混じっているのはご愛敬。)

戦国武将カード一覧

戦国武将カード一覧

コンテンツを読んでいくと、城下町を整備して会津漆器、会津木綿の発展を進めた蒲生氏郷、今川氏や斎藤道三などの対抗勢力が多い中で経済的基盤を築いた織田信秀など、いろんなタイプの武将がいると分かりました。

浅野長政石田三成など、豊臣秀吉のもとで行政官として手腕を発揮したタイプの武将は、なんとなく会社員の理想像であるような気もして共感と尊敬の念を抱きました。

石田三成は戦いが円滑に進むよう物資の輸送や戦後処理を担って頑張っていたのに、加藤清正福島正則ら七将に屋敷を襲撃されていて不憫に思います。

黒田官兵衛は軍師だったということしか知りませんでしたが、子の黒田長政に語ったという発言「神には祈れば良いし、殿には詫びを入れて謝れば大概のことはなんとかなる。しかし、家臣や民衆に疎まれると国を失うことになる。国を失えば神に祈っても殿に謝っても取り返しがつかない。そのため、家臣や民は大切にしなさい」という言葉には感銘を受けました。

為政者としての心構えが立派ですよね。

30人ぐらい読んでみましたが、どの武将も面白かったです。しかし、好きな武将を選ぶのはなかなか大変です。

武将のエピソードを読めば、好きな武将を選ぶうえでの基準みたいなものが見えてくるんじゃないかと思っていたのですが、そういう説明可能な基準で選ばれ、順位付けされるのは「優れた」武将であって、僕が好きになるかどうかというのは関係ないような気がしてきました。

確かに優れた人の方が推す理由を作りやすいですが、荒木村重のように不器用で苦しんだ武将も若い頃の豪胆エピソードが良かったりするので、一概に優秀さでは語れないですよね。

人間みんなちがってみんな良いので、それぞれの武将のことを学んで、好きな点を見付けることができれば良いんじゃないでしょうか。

好きな武将を決めてみる

藤堂高虎

藤堂高虎

しかし、あえてひとり好きな武将を上げるとしたら、築城の名人であった藤堂高虎を僕は推したいと思います。

僕はもともと建築家の本を読むのが好きで、会社の本業が建設業ですから、建築に才能を持った人への憧れがあるんですよね。

藤堂高虎は築城名人であるだけでなく、城を中心とした国づくりにも長けていたそうです。津藩の祖として城下町や宿場町を整備し、伊勢神宮への道のりも整備しました。津城が現存していないのは残念なことですが、名古屋から距離的に近いので親しみを感じます。

主君がコロコロ変わったということで不忠義だとか言われているそうですが、本当に不忠義であればそのうち登用されることもなくなるでしょうから、実力と同様人柄も良かったのではないでしょうか。

藤堂高虎は、関ヶ原の戦いにおいて、最後まで戦い抜いた敵将「大谷吉継」の死に様を称えて、首を持ち帰らず墓を作って供養したという逸話もあり、徳が高い人柄が伝わってくる武将なのです。